「いっぱいいっぱいありがとう…」


その日の朝日は今までに見たことがないほどに大きくて、真っ赤な炎でした。




嘘は要らない。
嘘と偽りの世界なんて壊れればいい。




愛し愛され騙されて、こんな世界はとても残酷。
それでいて、とっても美しい。



「ありがとう。そしてさようなら」


そっと呟いた言葉は、11月の寒空に消えていった。








人を信じるのが怖くなり、人を疑うことも嫌になり、
行き着いた先は人と関わらない己の世界を作る事だった。