「そういえば、おばさんは?」
「あー今日出掛けてる」
「そうなんだ…」
え、じゃあ今家にいるのって遙だけ?
やばい、帰ろう。早急に帰ろう。
これ以上ジャイアンといたら何言われるか
分からない。
家に帰ったって青いネコ型ロボットなんていないんだから、自分の身は自分で守らなきゃ。
「あ、そ、それじゃ私そろそろ…」
唐揚げを美味しそうに食べる遙に貼り付けた笑顔でそう言うと、そそくさと玄関へ向かう。
いや、向かおうとした。
背中を向けた私の首もとの服を、遙がガッシリ掴んでいた。
「これだけじゃ足んねーから、お前なんか作れよ」
「……へ?」
裏返った私の声がなんとも情けない。
恐る恐る遙の方を見ると、有無を言わせない笑顔で私を見下ろしていた。
あの頃の可愛いハルちゃん……カムバック。
