あの可愛かったハルちゃんはどこへやら。
今はその見る影もない。
結局、タッパに詰められたおかずを渋々持っていくことになり、遙の家のインターホンを押す。
どうか留守でいてくれ。おねがい。
「………はい」
インターホン越しに聞こえる低い声。
紛れもない私の幼馴染みの声。
うわ…
「あ、あの、おかず作りすぎちゃったみたいで持ってきたんですけど…良かったら…」
思わず姿勢を正して敬語になる。
グッとタッパを掴む手に力が入ってしまった。
なんでただの幼馴染みなのに緊張しないといけないの…
「…鍵、空いてるから入って」
それだけいうとガチャンとインターホンの受話器を置く音が響いた。
え、え、勝手に入れってこと?
