ここでキスして。




意識のない(眠ってる)無防備な男の人に、なんの許可もなく触るなんて変態すぎるでしょ自分!


一瞬にして変な汗かいた…







「……ん、あれ?」







榛名くんが目をこすりながら、ゆっくり顔を上げる。







…やばい。



やばい!



気付かれた?


こいつ変態とか思ってる?

無意識だったにしろ、無言で髪を撫でるクラスメイトって激しく気持ち悪いでしょ!







「…佐倉さん?」






ぱちりと目が合う。







「ハハ…、おはよー…榛名くん」




めっちゃ挙動不審な笑顔でヒラヒラと手を振ってみる。




なんかすごく見られてる、気がする。
やましいことがあるだけにどんな視線も恐ろしい…

絶対引いてる目だよこれ……






そんな私に構わず、榛名くんは小さくあくびをしてから、机に肩肘をついて頬を乗せた。






「来るの早いんだね?佐倉さん」

「……へ?」





思ってもいなかった言葉にポカンとした顔をしてしまった私に、榛名くんが不思議そうに首をかしげる。




いやてっきり、勝手に触んなブスとか言われるかと……


まあ榛名くんはそんなひどいこと言うタイプではないけど。





「は、榛名くんこそ来るの早くない?」


「あー……今日珍しく早起きして学校来たと思ったら、結局着いてすぐ眠くなって爆睡してた」


「確かにすっごく気持ち良さそうに寝てたよ」




……あれ?


なんか自然に会話しちゃってるけど。


これって。


もしかして、バレて、ない?