え、ていうか榛名くん来るの早くない?
しかも学校に来て早速寝てるし。
なんていうか、さすが眠り王子…
起こさないように、ゆっくりと自分の席まで歩いて、そっと鞄を横に掛ける。
いつもこんな早く学校に来てるのかな。
静かな教室で、榛名くんの規則正しい寝息だけが聞こえる。
私は榛名くんの前の席に座って、それをただ眺めてた。
やば、榛名くんがあんまり気持ち良さそうに寝てるから、それ見てたら私まで眠くなってくる……
また、カーテンがふわりと揺れる。
朝は風が少しだけ冷たくて気持ちがいい。
カーテンが揺れるのと一緒に、榛名くんの髪もサラサラと流れる。
(気持ち良さそう……)
思わず、榛名くんの頭に手を伸ばした。
人差し指で髪の毛を少しだけ撫でる。
見た目通りふわふわで気持ちいい…
男の子なのに、なにこれ。
羨ましすぎる…
シャンプー何使ってるんだろ。
絶対枝毛とかないよ。
朝日に照らされてキラキラ輝くハチミツ色の髪。
「……ん、」
榛名くんの声が漏れる。
「……っ!」
そこで我に返った。
な、何してんの私!