私、佐倉美弥(さくら みや)はどこにでもいるような平凡な女子高生だ。





胸元まである何もいじってないストレートの黒髪に、膝にかかるくらいの平均的なスカートの長さ。




たぶん総合的に判断して、良くて50点っていう、ほんとに平凡な高校2年生だと思う。





かわって隣りを歩く伊織ちゃんは、大きな瞳に色白の肌、肩にかからないくらいのボブヘアからチラリと覗くうなじが色っぽい。

性格もハキハキしてて、私にとってお姉さん的存在だ。



前にそう言ったら、美弥は近所の小さい子みたいよって言われたけど…。










「じゃーね伊織ちゃん!また明日!」



いつもの別れ道でバイバイと手を振る。



「またね、ていうか美弥あぶない!」

「わ!」



手を振りながら後ろ向きに歩いていたから、もう少しで電柱にぶつかるところだった。







私の家はすぐそこ。


ぶつかりそうだった電柱の前にある一軒家の隣が私の家。



そのお隣りさん家の2階を見上げて、思わず溜め息がでた。