【湊side】


昼休み。

俺はいつものように、教室の端で祐馬と机を囲み、亜瑚特製の弁当を食べていた。


他愛のない話をしていると、いきなり祐馬のスマホが鳴った。


「スマホ鳴った」


「えっ? あ、マジだ!」


祐馬はしばらくスマホをいじっていたかと思うと、突然顔をあげた。


「なぁ、湊に合コン来てほしいんだって。
他校の女子たちから直々にご指名☆」


「俺は行かない」


「うわー、即答。こんなの聞いたら女の子たち泣いちゃうよ~。
でも、ま、新婚が合コン行ってたらマズいか」


祐馬が大きな黒縁メガネを直しながら、ケラケラ笑う。


時々こうして祐馬から合コンの誘いがあるものの、俺はいつも断っている。

今までは合コン自体に興味がなかったから断っていたけど、今は一応嫁がいるし。