そんなことをひとりで考えていると、湊がリビングに戻ってきた。そして。 「あんたは?」 エプロンをたたみながら、突然話を振ってきた。 「ん? なにが?」 「だから、あんたはいたことあんの? 彼氏」 「えっ?」 想定外な質問に、目を丸くする。 まさか私がそんなことを聞かれる立場になるなんて。 私は笑いながら手を横に振った。 「彼氏がいたことなんてないない! だからね、誰かとのお付き合いの経験もなく、いきなり結婚なの」 「ふーん」 我ながら、波瀾万丈な人生を歩んでいると思う。