「じゃ、電気消すね」
「ん」
電気を消して、仰向けに布団に寝転がる。
隣には湊がいる。
でもやっぱり、さっきの物音を思い出してしまう。
恐怖心を押し込めるように、ぎゅっと目をつむった時。
不意に、湊がそっと私の手を握ってきた。
「こうしてれば少しは怖くないだろ」
「湊……」
「隣には俺がいるし」
顔を横に向け、湊の背中を見つめる。
その背中がなんだか優しくて、温かかくて、愛おしいと思う。
「ありがと……、湊……」
私も手を握り返す。
湊の手、大きいんだな……。
男の人の手って感じ。
手を握りしめられて、ドキドキ胸がうるさいけど、安心しているのも確かで。


