手のひらの上で転がされているようで、かぁーっと顔が熱くなる。 「さ、さっきは優しいと思ったのに……。最低!」 「そっちが入ってきたんだろ? それに一応俺ら夫婦だし、あんなことやこんなことくらいあってもおかしくねぇじゃん」 「やっぱり湊って意地悪!」 顔を膨らませて怒ると、湊がふっと涼やかに笑った。 「やっといつも通りの亜瑚になったな」 「え……?」 「さ、寝るぞ。俺は眠いんだよ」 そう言って湊が私に背中を向けて寝転がった。