「ゔぇぇん」
「まぁまぁ。亜瑚、そんなに落ち込まないで」
学校からの帰り道。
絶賛落ち込み中の私は、優しい玲奈に慰められていた。
「ゔぅー」
でも、急落したテンションは簡単には戻らず。
だって、よりにもよってあんな奴にパンツを見られてしまった。
小学生の頃だって男子に見られたことないのに。
うさぎちゃんパンツってあんなに連呼しなくたっていいじゃない……!
ルックスは抜群でも、あんな意地悪だなんて、最低だ。
「んー、まぁ、席順はどんまいとしか言えないわ」
私の背中をぽんと叩きながら、玲奈が哀れむような笑みを浮かべる。
そうなのだ。
“如月”と“来栖”で、教室の席順が前後になってしまったのがとどめの一撃だった。
席に座る時も『お、うさぎちゃんパンツだ』としっかりからかわれた。


