「──というわけで、湊と結婚して、一緒に暮らしてるの……」
湊と一緒に玲奈の前に並んで座り、ここまでの経緯をかくかくしかじか説明する私。
あんな状況になってしまっては、もう隠すことも嘘をつくこともできないと判断したためだ。
「……」
でも玲奈は俯いて、なにも言わない。
「ごめん…黙ってて……」
「……」
なおも続く痛い沈黙に、胸が潰れそうになる。
でも、玲奈の心中を思えば当然だ。
こんな大事なことを、親友に隠されていたのだから。
どんどん膨らんでいく自責の念に、膝の上でぎゅっと拳を握りしめた時。
「――違う」
不意に、それまで黙っていた湊の一言が、私たちの間に流れる沈黙を破った。


