私の部屋に入った玲奈は、ぐるっと室内を見回した。 「相変わらず可愛いお部屋ね。 亜瑚の部屋ってやっぱり落ち着くわ」 「へへ、そうかな……」 「えぇ! 間取りも実家とそんなに変わらないし。 いい物件を見つけたわね」 「うん」 笑顔で答えながら、さらに嘘を積み重ねてしまう。 「じゃあ、私お茶入れてくるから、ゆっくりしてて」 「ありがとう」 話していたらまた嘘をつかなくてはいけなくなりそうで、私は玲奈をお気に入りのクッションに座らせると、リビングに向かった。