「玲奈、お待たせー! 遅くなっちゃってごめんね」
湊と裕馬くんに先に教室へ戻ってもらい、私は下駄箱で玲奈と合流する。
玲奈はポニーテールにした長い黒髪を揺らして私の方を振り向くと、首を振って笑った。
「全然大丈夫よ。それより、さっき如月くんがすごい勢いで帰っていったの。
いつもはクールな如月くんのあんな姿、初めて見たわ」
「あ、あははー。そうなんだー」
ぎくりとして、思わず苦笑いになる。
湊……ばっちり見られてるよ……。
「さっ! そんなことより、早く家行こっ」
「そうね! 楽しみだわ!」
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