如月くんが助けてくれたの……?
というか、あの王子にお姫様だっこされるなんて……っ!
至近距離でこっちをまっすぐに見下ろしてくる、如月くん。
ミルクティー色の柔らかそうな髪。そして長い睫毛に縁取られた宝石のような瞳、すっと伸びた鼻梁、薄く形のいい唇、陶器のような白い肌。
どこを見ても隙がなくて完璧だ。
こんなイケメンに見つめられ、その上童話の中みたいなシチュエーションに、ドキドキしない女子なんてこの世にいるのだろうか。いないはずがない。
胸が痛いくらいに高鳴ってる。
如月くんはなにも言わず唇を引き結び、ただ私の目をまっすぐに見つめている。
もう、そんなに見つめないでよ……っ。
心臓が限界なんだからっ……。


