そして放課後。

玲奈には『ちょっと用事があるから待ってて』とごまかして、私は人がいない隙を見て湊を空き教室に呼び出した。


「なに、用って」


「あのね、今日友達の玲奈が家に来ることになったの!
だから先に帰って、湊の物を片付けておいてくれないかな?
その後、玲奈が帰るまでどっかで時間潰していてくれると助かる……!」


このとおり!と、私は顔の前で手を合わせて、必死のお願いポーズ。


「あぁ、別にいいけど」


渋られたらどうしようと心配していたものの、すんなりと快諾してくれた湊。


感謝のあまり、湊の両手を握りしめる。


「ほんと!? ありがとう!!」


ほっと安心したのも束の間、突然ガラッと教室のドアが開いた。