フォークを握りしめ、返事を渋っていると。


「亜瑚の新しいお家見たいし、ゆっくりおしゃべりだってしたいわ……」


玲奈が子犬のような潤んだ目で見つめてくる。

うー! 私はこの玲奈のウルウルな目に弱いのにー!!


「ダメ、かしら……?」


念押しのように言われ、手を引っ張られるかのように傾いていく意思。


……ま、まぁ、なんとかなるよね……!


「わかった! じゃあ今日家で遊ぼ!」


「やったあ!」


いつかは来る、避けては通れない事態だ。

嬉しそうにルンとする親友を前に、私は腹を括った。