しきたりのことといい、如月くんの家もいろいろあるのだろう。
とはいえ、いつお母様にお会いしてもいいように、身だしなみは常にしっかりしていないとだ。
と、気を改めて気を引き締め直した、その時。
「あ」
不意に如月くんがなにかを思い出したように声を上げた。
「ん? どうしたの?」
「そういえば、まだ婚約っていう状態だけど、それでも高校側にバレたらどうなるかわからないから」
「うそ!? ほんと!?」
バレたら相当マズい。
せっかく高校に通わせてもらっているのに、すべてを水の泡にする事態はなんとしてでも避けねばならない。
焦る私に、腕を組んだ如月くんが冷めたトーンで忠告してくる。
「あんた、危なかっしいからな。バレるようなマネするなよ」
むっかー! 口を開いたかと思えば、また上から人をバカにしてる発言!


