【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?







「おじゃましまーす」


部屋に一歩足を踏み入れた私は、綺麗に整理されている部屋に思わず驚いた。


「綺麗にしてるんだね!」


「そー? 普通じゃない?」


「男の人のひとり暮らしって、なんかこうもっと、ぐしゃぐしゃーってしてるかと思ってたの!」


腕をぐしゃぐしゃーっと動かし、乱雑な部屋を表現するように大きくジェスチャーをすると。


「……ふっ。なにそれ」


不意に、如月くんが涼やかな表情を崩して吹き出すように小さく笑った。


学校ではクールな表情しか見せないから知らなかったけど、目を細めて笑う姿はなんだかあどけない。

素敵な笑顔をする人なんだなあ、如月くんって。


レアな笑顔が見られて、なんだか私まで嬉しくなってしまう。