――そして10分後。

全身鏡に映る私は、ワンピースと、玲奈からの誕生日プレゼントのコートを着ていた。


どちらも初めて着るということもあり、るんるん気分で、待っている湊の元へと向かう。


「お待たせ!」


と、いきなり視界が真っ暗になる。


「え? なに?」


「サングラス。変装してれば、外でもイチャつけるし」


「変装デート?」


「そういうこと」


そう言って、そっと微笑んだ湊が手を差し出してくる。


外で手を繋ぐのなんて初めてだ。


緊張しながら手を伸ばすと、反対から伸びてきた湊の手にぐっと引き寄せるように捕まえられた。

そして、自然に指を絡ませてくる。


これは……いわゆる恋人繋ぎというやつだ。

家でふざけて手を繋いでるのとは違う感覚に、ドキドキと胸が高鳴る。