そして、30分後。
私は今、如月くんの住むマンションの前に立っている。
「はははは……」
想像の範疇を斜め上に超えてくる展開に、乾いた笑いしか出てこない。
昨日までは、こんなことになるなんて思いもしなかった。
あの後、あれよあれよという間に荷物をまとめさせられ、気がつけば『正式に婚約したんだから』と、ひとり暮らしをしている如月くんの家に移り住むことになった。
というか、まさか如月くんの家に嫁ぐなんて……。
もう! いろんなことが一度に起きて、なにがなんだか頭が追いつかないってば!
荷物を抱えたまま、ひとり悶々としていると。


