眩しい日の光に目を覚ました俺は、隣ですやすやと穏やかに眠る亜瑚を見つけた。 あ……。俺の手、握ってる。 輪郭を指でたどるように、亜瑚の頬を優しく撫でる。 すると、亜瑚は幸せそうにほころんで、寝言を呟いた。 「湊……。好き、だよ……」 あまりに可愛い寝言に思わず苦笑して、俺は上体を起こし、亜瑚を見下ろした。 亜瑚の寝顔を見ていると、なんだか不思議な幸せが心に満ちてくる──。