唇を離すと、真っ赤に頬を染めた亜瑚が見下ろしてくる。 「亜瑚、かわいい」 そっと笑みをこぼして本音をこぼせば、わかりやすく動揺してさらに顔を赤らめる亜瑚。 「なっ……、み、湊だって、見るたびびっくりして見惚れちゃうくらいかっこいいよ」 なにそれ、と思わず苦笑した、その時。掛け時計から、また音楽が流れてきた。 12時だ。 俺は目の前にいる、愛おしい妻の頬を両手でそっと包み込んだ。 「誕生日おめでとう、亜瑚」 みるみるうちに、その顔に笑みが広がっていく。