「それで、亜瑚ちゃんはいつ帰ってくるの?」


「1月2日。来年だよ」


グラスに注がれた炭酸水をあおり、ムスッと答える。


亜瑚が家に帰ってから、もう4日が経った。

たった4日なのに、亜瑚がいないだけで1ヶ月くらいに感じる。

それなのにあと1週間もいないとか、耐えられる自信がない。


「まぁさ、せっかく宅配ピザ頼んだんだし食べろって!」


「……んー」


宅配ピザもおいしいけど、あいつの手料理が食べたい。

オムライスとか、エビフライとか。


「でも、誕生日に会えないんじゃ、あれ、渡せないのかー」


祐馬がピザを食べながら、残念そうに口を尖らせる。


実は、亜瑚には内緒で体育祭の後からバイトを始めた。

サプライズで、ある物を贈るために。


でも、そんなこんなで、誕生日には渡せなくなってしまった。