泣き顔を見られたことを今更ながら自覚し、バッと急いで顔を背ける。
「ち、違うよ! 欠伸したの!」
泣いていたことがバレたくなくて、うつむいて咄嗟に嘘をつく。
でも、返ってきた湊の声は硬かった。
「嘘つくなよ」
「嘘なんてついてない」
震えないようにとするあまり、強張ってしまう声。
木製の床しか映っていなかった視界に、湊の爪先が映り込んだ。
「俺にはバレバレだから」
上を向かせるように腕を引かれる。
やだ……っ。湊にこんな顔見せたくない。
それに……きっと湊の顔見たら、胸の中の気持ち、全部溢れ出てしまう。
「離して……!」
湊の手を振り払い、咄嗟に保健室の奥に逃げる。


