「ひっく……っ」
止まらない涙を拭いながら、校舎1階の保健室に入る。
先生は救急係としてグラウンドに出ているから、保健室は空っぽだった。
でも今は、それがちょうどいい。
こんな泣き顔、誰にも見せられないし、午後はもう私の出番もないから、涙が引くまでここにいよう……。
中央に置いてあった丸椅子に座り、気持ちを落ち着かせようとする。
でも、どんなに時間が掛かっても涙は止まりそうにない。
涙ってこんなにコントロールできないものだったっけ……。
体育祭であんなかっこいい湊を見て、湊の奥さんが私でいいのか不安になってしまった。
もっと釣り合う子が――栞ちゃんの方がいいんじゃないかって。
だから湊のこと信じたいけど、自信がなくて信じられない……。


