頭が真っ白になって、目を逸らすようにバッと木の陰にしゃがみ込む。
頭が現実を受け止めることを拒否してる。
だけど心は、握りつぶされているかのように、どうしようもなく痛くて。
嘘だ、湊が他の子とキスなんて……。
心変わりしちゃったの……?
私なんかより、ずっと可愛くてモテる栞ちゃんの方がいいに決まってる。
そんなこと、痛いほどわかってるけど……。わかってるけど……っ。
気づけば、頬をたくさんの涙が伝っていた。
「ふ、う……」
こみ上げてくる嗚咽をこらえられなくなって、私はその場から逃げるように駆け出した。


