そして、テントを出て歩いていくふたり。
私はただ、そのふたりの後ろ姿を見ていることしかできなくて。
湊、行かないで……。
心の中で呼び止めるけど、危険を冒してまで引き止める勇気は持っていない。
それなのに、湊が違う女の子とふたりきりになるのが、ものすごく嫌で苦しい。
いつの間に、こんなに心が狭くなってしまったのだろう。
「如月くんと栞ちゃん、行っちゃったね……」
「ふたり、付き合ってると思ってた」
「確かに美男美女でお似合いだよね」
あちこちから聞こえてくる声に、胸を鋭利ななにかで刺されるかのような感覚を覚える。
違う……。湊は私の旦那さんなのに……。
でも、みんなには言えないし、自信もなくなってきた。


