そんな私の思いとは裏腹に、体育祭は順調に進み、午前の部が終わって、昼食の時間になった。
クラスのテントに集まって、クラスメイトみんなでお弁当を食べる。
「うわ! 湊の弁当、カツ丼じゃん! いいなー」
すぐ後ろのパイプ椅子に、湊と並んで座っている祐馬くんの声が聞こえてきた。
そう。今日は体育祭だから、“勝つ”という願掛けでカツ丼を作った。
頑張ってみたんだけど……湊、喜んでくれたかな……。
どんな反応があるのか、ドキドキしたまま箸を握りしめていると。
「おっ。超うまそ。これは絶対勝たないと」
教室の喧噪の中でも届いてきた、湊の弾んだ声。
どうしよう。すごく、嬉しい……。
「愛されてるな、俺」
湊の優しい声音に、ドキンッと甘く鼓動が鳴る。
さっきのことでモヤモヤしていたから、湊の言葉が余計嬉しい。


