俺は上体をかがめると、ずいっと覗き込むように亜瑚に顔を寄せた。

至近距離から見つめ、逃げ場をなくさせる。


「亜瑚。好きって言えよ」


「な、な!?」


「ほら、早く」


せかすと、もじもじうつむく亜瑚。


なんだか俺、めちゃくちゃ欲しがりになってる。

でもこんなふうに自分をさらけ出せるのも、亜瑚にだけで。


「す、好き……」


顔を真っ赤にして、潤んだ瞳でそう言う亜瑚が可愛くて、たまらなく愛おしい。

俺……重症かもしれない。


亜瑚の手首を掴み、囁きかける。


「もっと」


「好き……っ」


「もっと」


「好き。大好き……」


「俺も。……なぁ、亜瑚からキスして?」


追い打ちをかけるように甘くねだれば、ただでさえ真っ赤だった亜瑚の顔が、さらに真っ赤に染まる。