「ごめんっ! 湊がこんなに本気で心配して帰ってきてくれるとは思わなくて……」
落ち着け、俺。一回頭を整理しろ。
「じゃあ、なんでいきなり電話切れたんだよ」
「突然ゴキブリがこっちに向かってきて、逃げたらスマホをゴキブリの近くに落としちゃって、取り返せなくなっちゃったの」
「で、そのゴキブリはどこ?」
「湊が帰ってきたら、テレビの下の台に逃げたよ」
予想の斜め上を行く事の顛末に、はぁ~とがっくり項垂れる。
さっきまでの心配、なんだったんだよ……。
でも、我を忘れるくらい、亜瑚のことが心配だった。
それだけ、やっぱり俺はこいつが大切で。


