――バンッ。
マンションの自室に着くなり、勢いよく玄関のドアを開ける。
「亜瑚!」
焦る気持ちを抑えきれずに、リビングに駆け込む。
「大丈夫か……っ」
見慣れた景色の中、制服にエプロン姿の亜瑚がリビングの床に座り込んでいた。
「湊?」
俺を見るなり目を丸くする亜瑚。
良かっ、た……。無事だ……。
無事な姿を見ると、途端に体の力が抜けて、亜瑚の前にしゃがみ込んだ。
「どうしたの? そんなに慌てて」
驚いたようになにか言っている亜瑚。
でも、それに反応する余裕はなかった。
なにも言わないまま残った力で亜瑚の腕を引くと、その体をぐっと抱き寄せた。
そして簡単に腕の中に収まってしまうその体を、強く抱きしめる。


