湊に乱され、まだ早鐘を打つ鼓動の音を聞きながら、彼を振り返った。


「湊、お味噌汁の味見する?」


「ん、するする」


私は作ってあった味噌汁をおたまで掬い、湊の口元に近づけた。


すると、湊が私の手首を掴んで自分の方に引き寄せ、味噌汁をすする。


「……っ」


『あーん』してるみたいで恥ずかしいかも、これ……。

本当の夫婦みたい……。


「なんか今の、夫婦っぽかった」


思ってたのと同時に、湊もそう言った。


「ね。ちょっとっていうか、だいぶドキドキしたかも……」


「今まではなかなか夫婦って感じにはなれなかったけど、これからは本物の夫婦になっていこ」


湊が優しく微笑んで、私の瞳を覗き込んでくる。


私……胸がいっぱいだ……。


「うんっ!」


湊につられて、私も笑顔がこぼれた。