「湊……」


「亜瑚、愛してる」


湊の長い指が、私の頬にかかった髪を慈しむようにそっと除けた。


私の瞳を独占する湊が、そっと微笑む。

ああ、なんて綺麗な笑顔だろう。


絡み合うかのように、睫毛が触れ合い。

そして、私たち夫婦の唇が優しく重なった。


夜の色を纏いだした空の下、だれもいない公園で、私たちはやっと通じ合った愛を確かめ合うように唇を重ねる。


今日、何度目かわからない温かい涙が頬を伝った。


あぁ……。私、幸せだ……。

湊の奥さんになれて本当に良かった……。