そして、私の瞳に映る湊の唇がゆっくりと動く。


「亜瑚……、好きだ。ずっと俺のそばにいて。
今度こそ本当の夫婦になろう」


「……っ」


嘘……でしょう……?


湊の言葉ひとつひとつが、じわじわと温もりを帯びて胸に広がっていく。


信じられない……。

湊も私と同じ気持ちでいてくれたなんて。

あぁ、どうしよう。涙が止まらないよ……。


「ふっ……う、うぅー」


「え、そんなに嫌だった……?」


「違う……。すっごく嬉しいのっ……。
私も湊が好き。大好き! 一番大好き……!」


涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら想いをぶつければ、湊が眉を下げてくしゃっと笑う。


「ばーか。泣きすぎ」