「はぁ〜……」
近所の公園のベンチに座り、大きなため息をつく。
私が、結婚……?
そんなのあまりに夢みたいな話で、ふわふわしすぎて現実味がない。
だってまだ現役バリバリの高校生。
私もいつかは……と憧れてはいたものの、突然こんな展開になるなんて、想像したこともなかった。
どうしたらいいんだろう……。
答えの見つからない難題に「はぁ〜」とまた大きなため息をついた時。
「あ、うさぎちゃんパンツ」
不意に背後から、誰かに声を掛けられた。
振り返らなくてもわかる。
私のことをこんなふうに呼ぶのは、ひとりしかいない。
「あの、うさぎちゃんパンツって呼ばないでくれますか? 如月くん」


