【湊side】 俺は家を飛び出し、ひとりで公園のベンチに腰掛けていた。 いろんな感情が湧き出して、額を抑える。 他の男と楽しそうにしている亜瑚を見つけた時、怖くなった。 大切な人に……亜瑚に、捨てられるかもしれないことに。 目をつむると、今でもあのことが鮮明に、昨日のことのように頭に浮かんでくる。 俺は、親父と母さんと、家族3人で暮らしていた。 いつも明るくて優しくて、いつも温かい愛で俺を包んでくれた母さん。 そして真面目で家族思いの親父。 ごく普通の家族だった。――あるときまでは。