「え……? なにって……」


突然放たれたピンポイントな問いかけに、ドキリと心臓が反応する。


湊へのプレゼントを買っていたなんて言えない。

プレゼントは、サプライズにしたいから。


答えに戸惑っていると、湊が顔を上げた。


「そんなに言えないこと?」


「みな、と……?」


こちらに向けられた湊の顔は、見たことがないほど力がなく、悲しみに包まれていた。


「湊、どうしたの? なんか、変だよ……?」


普通じゃない湊の様子に、思わず声が震える。


湊はこちらを見ないまま、ぽつりと呟いた。


「……なんでもない」


ソファーから立ち上がり、しゃがみ込んでいた私の横を通り過ぎていく湊。