「それでね、私、なにか湊にプレゼントあげたいんだ」


誕生日はプレゼントあげられなかったし、一応お世話になってるし……。


すると玲奈の顔に笑顔が広がる。


「それ、いいと思うわ。
きっと如月くん喜んでくれるわよ」


「ありがと! でも、湊なにが欲しいかわからないんだよねー」


ここ1週間くらい、湊はなにが喜ぶかずっと観察してたけど、結局わからなかった。


「じゃあ、拓巳と買い物に行ってみる?
男子の意見取り入れてみたらどうかしら?」


「拓ちゃん!」


久しぶりに聞くその響きに、私はパッと笑顔を咲かせた。


拓ちゃんは、玲奈の1才年下の弟。

小さい頃から、たまに3人で遊んだりして、私にとっても弟みたいな存在だ。

玲奈とは顔も似てなくて、性格も正反対。玲奈は大人しいけど、拓ちゃんは明るくていつも元気。


別々の高校に入ってから、サッカー部に入部して忙しい日々を送る拓ちゃんとはあまり会えていなかった。