えっ……?
ドックンと心臓が低く鳴る。
「ちょ、ちょっと! 誰かに見られたら……っ」
そう言いかけたけど、湊に真剣な瞳で至近距離で見つめられ、思わずなにも言えなくなる。
前髪の隙間からわずかに覗く湊の瞳は、見たこともないほど熱をはらんでいて。
ち……近いっ……!
湊は戸惑う私のことなんかお構いなしに、耳元に顔を近づける。
そして耳元で、低く掠れた声で囁いた。
「なぁ、あんたの旦那は誰?」
甘い吐息が耳にかかって、耳から全身にすごい勢いで熱が伝わる。
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