「みっ……如月くん!?」


湊の突然の介入に、驚いたのは私だけではなかった。

男子ふたりも、想定外だったのか驚きの声をあげる。


「如月!?」


「来栖さんに用があるから、ちょっと借りる」


「あ、あぁ」


一方的に話をつけると、湊は状況を把握できていない私の手を引っ張って、教室を出た。


「ねぇ、どうしたの!?」


私が呼んでも、湊は振り返らず、廊下をずんずん進んでいく。


そして、屋上へ続く階段をのぼり、踊り場で立ち止まると。


「みな、」


呼びかけた私の声を遮るように湊は腕を伸ばし、私の顔の横を掠めて壁に手をついた。

私の体は、湊の体と壁の間に挟まれる。