「それから少し経った時に、元々そんなに強く無かった私の身体が限界を迎えてね。あんまり体調が良くなかったの」
ユキはそこから思い出を語るように、ふんわりとした雰囲気でもって、先を続けた。
「でも、毎日の仕事はこなさなきゃいけないと思ったのよ?で、ぼーっとした頭のまま、道を歩いていると…ドーンと」
車と正面衝突。とユキは笑った。
「えっ…笑い事じゃ……」
「んー、笑い事じゃないかもしれないけれど、私にとってはそんなに嫌なことじゃなかったの。なんだかもう、限界が来てて。
しんどいのはもう終わりだって思ったら、痛いのもすぐに忘れてたわ」

