「早い者勝ちでは無かったのね」


アイカは笑いながら言った。

ずっと早い者勝ちだと思って、ひそかに焦っていたのだと言う。


「こなす課題が違えば、どうしても難易度は少しばかり変わってくるからな。
課題によっては長期間かかるものがあるかもしれないし」


ユウは説明的に言った。


それが平等と思ってはいるものの、その制度に、あまりユウ自身、納得してはいなかったのだ。




ただ今回ばかりは、この制度で良かったと思っていた。



早い者勝ちなら、その時点で5人の敗北が決まっていたからーーーー





彼の口は固かった。
そして、無駄にココの心を傷付けたくも無かった。



だから、彼の口からそれが語られることは結局、一切無かったのだ。