「おか…さん……」 ヒック……としゃくり上げながら、きるは母の顔を眺める。 何かを言おうとしてーーーーー 何も、言えなかった。 ただ、母を抱きしめた。 見た目に傷は無いが苦しそうな母は、それを優しく受け止め、娘を抱きしめ返す。 親子の最初で最後の語らいは、それで充分だったのだ。