「納得ーーしたな、少女よ」 低い声の中性的な天使がきるに問うた。 泣き腫らした顔で、きるはコクリと頷いた。 「では、去りなさい。 『時』の君よ、早めに連れ帰ってあげないと、人間にこの空間はしんどいぞ」 「ーーはいっ」 琉は背筋を急に伸ばして、返事をする。 天使には、琉にそうさせるだけの威圧感があった。 「最後にーーーあとちょっとだけでも」 ココは言う。 皆まで言わずとも、そこにいる者の誰にもココの考えは伝わった。