「何をそんなに泣くの…?」 ふふっと笑いながら、きるの母はそっときるに触れる。 手を動かした瞬間、うっ…と苦しそうな顔をしたのを、アイカは見逃さなかった。 「だめっ動いちゃ。私の力じゃ、完璧に治せなかったからっ!!」 「ーーーそれは、私でも無理かな」 アイカが制止の声を上げた時、低めの、心地よい声が、一同の背後から聞こえて来た。