「ーーあっ、もしもしっ!!ーーー」 少し離れた所で、トラックの運転手が、救急車と警察に連絡している。 倒れた女の人の周辺では「なんだ?」という風に、減速していく車もあったが、誰も集まっては来なかった。 「近づいてーーーみる?」 アイカが恐る恐るきるに尋ねる。 きるは5人の予想に反して、しっかりと頷く。 「あの人がたぶん、あたしのお母さん」 きるが震える足を踏み出す瞬間、声が微かに風に乗って5人の耳に届いた。