「貴方の願いを叶えます。
貴方の願いはーーー何ですか?」


今までの経験から、ココはすんなり願いを言ってはくれないと踏んでいた。


願いを口に出すのは、大人になる程、難しいのだと、経験上分かってきた。


しかし、この男は今までのどんな人とも違う反応を寄越したのだ。




「俺の願いはーーー先に逝ってしまった俺の子ども達のやってくれたように、温かい愛情を傾けて欲しい」


おじさんの顔は、寂しそうな目を向け、ココに優しく微笑みながら言った。