どく。どく。どく。 生きている音がする。一定のリズムは平穏をくれる。 涙の生まれる速度が、緩やかになってゆく。 私は剥き出しの胸に手を当てて、自分の心臓を確かめる。 どく。どく。どく。 よかった。同じだ。 あなたとおんなじ、一定の鼓動が響く。 メトロノームのように、どくどくと同じテンポを刻むハート。 いつしか私の心臓は、右耳から流れてくるあなたの心臓に連動する。同じリズムで鼓動し始める。 まるで、ひとつになったかのように。 ひとりぼっちが、ふたり。 でも、心臓だけは、ひとつ。