「陸さん、この前は助けに来てくれてありがとうございました。」


未だにちゃんと言えずにいたお礼をやっと直接言うことができた。


「俺が華奈ちゃんを助けるのは当たり前のことだからいいんだよっ!
あ、でもこの前のは海斗のおかげかな。」


「…海斗の?」


「そう!
図書館に着いた直後に海斗から電話があって、華奈ちゃんが3階の奥の机にいるから真っ先にそこに向かってくれって言われたんだ。
だから俺は迷わず華奈ちゃんの所へ向かえたわけ。」


…そうだったんだ、海斗とは図書館で何度か会ったことあったし、あたしの居場所を陸さんに教えてくれたんだ。


海斗はそんなこと一言も話さなかったから…。


「それだけじゃないよ。
俺が華奈ちゃん連れて外に出たあと、あいつすでに外で待ってて、華奈ちゃんの付き添いでそのまま救急車に乗って行ったんだよ!」


だから海斗はあの時病院に居たんだ。


そういえば、海斗とはあの日から会っていない。
海斗にもちゃんとお礼言わなきゃならないな。